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生成AIを業務に入れる会社は、この2年で一気に増えました。
ただ、入れたことと成果が出たことは別の話です。

ツールを配っても、どの業務のどの工程に効かせるかが決まっていなければ、現場は今までのやり方の横にAIを置いただけになります。そして「使ってはいるが、何が良くなったのかは説明できない」状態が残ります。

この差を作っているのは技術ではありません。どこに差し込むかを決める順番と、決めたことを続けられる仕組みのほうです。

MITのProject NANDAが2025年に出した調査では、企業が投じた300〜400億ドルに対し、生成AIの取り組みの95%が損益への効果を測れていませんでした。経営者150人への聞き取りと、300件の導入事例を見た数字です。

MIT Project NANDA「The GenAI Divide: State of AI in Business 2025」

McKinseyが約500組織に聞いた調査では、AIの責任者を明確に置いている組織の成熟度が2.6、置いていない組織が1.8でした。全体の平均は4点満点で2.3です。誰が責任を持つかを先に決めているかどうかで、これだけ差が出ています。

McKinsey「State of AI trust in 2026」(約500組織・2025年12月〜2026年1月)

AIを入れるかどうかは、もう論点ではありません。どの業務のどこに差し込み、何をもって続ける/やめると決めるか。そこがAI・DXの難所です。
ECNでは、この難所をお客様と越えるお手伝いをしています。

Issues

01

経営が言う「成果」は売上や利益の話で、現場が動かせるのは目の前の作業です。この2つの間には、業務プロセスとタスクという段が2つ挟まっています。

ここを分けずに「AIで何かやれ」と降ろすと、現場は自分の作業のどこを変えればいいのか分かりません。結果として、使えそうなツールを触ってみるところで止まります。

02

「技術的にはできた」で終わったPoCが、次のPoCを生みます。本番化も中止も決まらないまま、案件だけが増えていきます。

MITの調査で95%が損益への効果を出せていないのは、技術が足りないからではありません。何が起きたら本番にするか、何が起きたら止めるかを、始める前に決めていないからです。

MIT Project NANDA「The GenAI Divide: State of AI in Business 2025」

03

規程が固まるのを待っている間に、現場は自分の判断で使い始めます。無料のツールに業務の資料をそのまま貼っている、ということも起こります。

全部止めれば業務が遅くなり、放っておけば何がどこへ出ているのか分かりません。先に要るのは完成した規程ではなく、判断できる最低限の線引きです。

04

同じMITの調査では、外部から調達したものの成功率が67%、自社で作ったものが33%でした。買うほうが2倍うまくいっています。

ただしこれは「買えばいい」という話ではありません。業務に合わせて作る価値がある領域と、既製品で足りる領域を分けられていないと、どちらを選んでも同じところでつまずきます。

MIT Project NANDA「The GenAI Divide: State of AI in Business 2025」

05

戦略を決めた会社、実装する会社、運用する会社が別々だと、決めたことの意図が引き渡しのたびに薄まります。

「なぜこの順番なのか」は提言書には書かれていても、実装する側には伝わりません。結果として、書かれた順番どおりには進みません。

Approach

ECNは戦略から実装、運用までを同じチームで進めます。戦略で決めた「何を、なぜ、どの順で」を、そのまま実装の受入基準に渡せます。

次の5つの工程を一つの契約の中でカバーします。

従来開発は実装に作業量が偏り、テストと運用の間で分断が起きる。AI駆動開発では発見・仕様化・実装・セキュリティ・運用が一つのループとしてつながる
工程担うことAIの役割人の役割
Assess経営目標から業務・タスクまでを分解する業務の棚卸しと候補の網羅経営目標との紐づけ
Prioritize5つの軸で候補を評価し順位をつける事例の収集と一次評価投資判断と優先順位づけ
Prove合否と中止の条件を先に決めて検証する試作と効果の測定本番化・中止の判断
Govern利用の線引きと記録の仕組みを整える利用状況の集計と異常の検知線引きの決定と説明責任
Enable判断の基準と手順を社内に残す資料の作成支援運用の引き受け

Methodology

01

経営が言う「成果」と、現場が動かせる「作業」の間には段が2つあります。経営目標、業務プロセス、タスク、そしてどのタスクにAIを差し込むか。この4つです。

  1. 経営目標。売上、利益、離職率など、経営が見ている指標
  2. 業務プロセス。その指標を作っている一連の流れ
  3. タスク。その流れを構成する個々の作業
  4. 差し込み先。どのタスクをAIに寄せ、どこを人が持つか

この4段に分けて初めて、経営の言う成果とAIを使う場所がつながります。分けずに降ろすと、現場は自分の作業のどこを変えればいいのか分かりません。

02

出てきた候補を、5つの軸で見ます。技術的にできるかどうかだけで決めません。

業務への効き方
この作業を変えたとき、経営指標にどれだけ効くか
いま作れるか
手元のモデル、データ、外部サービスで実現できるか
費用に見合うか
見込む効果と、初期費用+運用費用の釣り合い
現場が使い続けるか
使い続ける動機と、じゃまになるものは何か
いつ動き出せるか
決めてから本番で動くまでにかかる現実的な期間

あわせて、作るか買うかもここで決めます。MITの調査では外部から調達したものの成功率が67%、自社で作ったものが33%でした。ただし業務に合わせて作る価値がある領域は残ります。この5軸の点数と、御社が自社で持ちたい範囲を重ねて決めます。

MIT Project NANDA「The GenAI Divide: State of AI in Business 2025」

03

「技術的にはできた」で終わったPoCは、本番化も中止も決まらないまま残ります。始める前に、次の4つを経営と合意します。

  • 成功の条件。業務の指標にどれだけ寄与すれば本番にするか
  • 中止の条件。これを下回れば止める、という下限
  • 判断する人。本番化・中止・再検証を決める権限を持つ人と、決めるタイミング
  • 引き受ける人。本番にする場合、運用を誰が持つか

この4つを先に紙にしておくと、結果が出たときに議論が要りません。止める判断が普通のこととして扱えるようになります。

04

規程が固まってから使わせる形にすると、待っている間に現場は自分の判断で使い始めます。完成した規程より先に、判断できる最低限の線引きを置きます。

  • 扱う情報の区分と、AIに入れてよい範囲の対応表
  • 使ってよい道具の一覧と、その更新の仕方
  • 誰が、いつ、どの道具で、どのデータを扱ったかの記録
  • 情報が外に出た、誤った出力が使われた、と分かったときの初動

McKinseyの調査では、AIの責任者を明確に置いている組織の成熟度が2.6、置いていない組織が1.8でした。誰が責任を持つかを決めるところが、いちばん近道です。

McKinsey「State of AI trust in 2026」(約500組織・2025年12月〜2026年1月)

05

01から04の結果を、12〜18か月の順番表にまとめます。

  • はじめの3か月。線引きの整備、すぐ効く施策、試すものの確定
  • 3〜9か月。優先したものの検証、本番化の第一陣、進める体制を社内へ
  • 9〜18か月。業務の流れそのものの作り直し、開発への接続、指標の定着

この順番表は置いておく文書ではありません。検証の結果と外の状況に合わせて、定例の中で直していきます。

Features

01

多くのコンサルティング会社は提言書の納品で線を引きます。その先の実装は別会社、運用はさらに別会社というリレーの中で、決めたことの意図が二度三度と薄まります。

ECNは大規模なシステムを動かし続けるところまで請け負ってきました。戦略で決めた「何を、なぜ、どの順で」を、そのまま実装の受入基準に渡せます。

02

AIの案件でいちばん価値が高い判断は、これは止めるべきだと言えることです。MITの調査で95%が損益への効果を出せていないのは、止める判断が遅れて予算が滞留するためです。

ECNは検証を始める前に中止の条件を経営と合意し、その条件に達したものは止める形で伴走します。増やし続けるのではなく、やめる根拠を出せることを仕事だと考えています。

03

ECNのゴールは、御社がECNなしでAIの施策を回せる状態です。評価の軸、判断の手順、線引きの規程、検証の判定資料、順番表の更新のやり方を、すべて御社の資産として残る形で作ります。

外注し続けないと回らない体制は、AI・DXでは長い目で見て不利になります。契約の設計も、卒業してもらう前提で組みます。

FAQ

始められます。AIに詳しい人が揃っていることを前提にしていません。戦略を決めるのと並行して、経営層、推進する方、現場それぞれに向けた説明と練習を組み込みます。

意思決定の権限を持つ経営層、推進チームの責任者、対象となる業務部門の責任者、情報システム部門。この4者が揃うと、経営の言う成果と現場の作業がつながります。

できます。導入したものが現場で使われていない、あるいは使われているが成果につながっていない。その理由の分析から始めるほうが、費用に対する効果は高くなります。捨てる前提ではなく、活かす前提で範囲を決めます。

可能です。ただし研修だけでは、業務の流れと線引きが変わらない限り効果は限られます。研修と、すぐ効く施策の伴走をあわせた形をおすすめしています。

できます。戦略、検証、実装、運用を同じチームで続けられるところがECNの持ち場です。展開の段階では、AI駆動開発のサービスと接続して実装から運用までを通して進めます。

戦略を決めるのと同時に整えます。扱う情報の区分、使ってよい道具の一覧、利用の記録、問題が起きたときの初動。この最低限を先に置き、検証と実装の段階で広げていきます。EU AI Actなど海外の規制は、対象となる事業に応じて設計に含めます。

それがECNのゴールです。評価の軸、判断の手順、線引きの規程、検証の判定資料、順番表の更新のやり方を、御社の資産として残る形で作ります。

可能です。まず現状をうかがったうえで、課題の整理と、どこから始めるとよいかについて意見をお出しします。